ごあいさつ
愛猫が心臓病と言われたらにようこそ!
獣医師の伊藤大輔と申します。
ここでは猫の肥大型心筋症についてまとめています。
心臓病の愛猫と暮らす飼い主さんへの情報提供のホームページです。
ここで、このホームページを作った背景の説明をしつつ、あなたにご挨拶をしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
あなたは一人ではありません
現在日本で飼われている猫の数は1000万頭を超えます。
これはかなりの数になります。
一方、あなたの近所で心臓病の猫はどれくらいいるでしょうか?
正直よく分からないというか、あまりそんな話は聞きませんよね。
だから相談できる相手も少ないし、孤独感を感じやすいのではないでしょうか?
では実際、心臓病の猫は世の中にどれくらいいるのでしょうか?
最初に答えを言ってしまうと、正確には調べられていないので誰にも分かりません。
(僕が知らないだけかもしれませんが)
でも、仮にそのうち1%の子が心臓病になるとしましょう。
何しろ全部で1000万頭以上ですから、1%でも全国に10万頭もの心臓病の猫がいる計算です。
現実には心臓病は猫の死因の上位を占めますし、病院に行かずに見つかっていない心臓病の子もいるでしょうから、恐らくもっともっと多いはずです。
だから、あなたと同じような境遇の飼い主さんが実は全国に沢山いるということです。
決してあなたの愛猫だけの特殊な病気ではありませんし、
あなたは一人ではありません。
猫の心臓病は「分かりにくい」
僕も今まで猫の心臓をたくさん診察してきました。
しかし、猫の心臓病についてはまだまだ未知の点が多いのが現状です。
ですから病気の理解だけでも大変ですし、ましてや実際の診療は更に大変です。
このようにプロである獣医師にしても猫の心臓病は難しく分かりにくい病気です。
そしてプロがこうなのですから、あなたにとってはもっと分かりにくい病気だと思います。
- 「心臓病なんだから大変な病気だろうけど、何が何だか分からない」
- 「どんな風になる病気なの?」
- 「ウチの子はどうなっちゃうの?」
- 「自分に出来ることはあるの?」
- 「何か気をつけなければいけないことはあるの?」
などの感想をあなたも持ったのではないでしょうか?
人は知らないと不安になる生き物
さて、大事なポイントなのですが、
人は知らないと不安になる生き物
です。
ですから、猫の心臓病の事がよく分からないなら、不安を感じるのは当たり前です。
いきなり心臓病の診断を聞けば、そりゃあ頭は真っ白になるでしょうし、「私はどうしたらいいのか?」と慌てると思います。
そして不安にかられたまま、あちらこちらの情報に踊らされ、しなくても良い心配をし、しなくても良い努力に明け暮れ、買わなくても良いものに手を出し、訳が分からない事になっている飼い主さんもいっぱい見てきました。
あなたはそうなってはいませんか?
飼い主の不安は猫にも悪影響
さらに、飼い主の不安を放置しておくのは愛猫にとってもよろしくありません。
多くの家庭を見てきて感じるのですが、不安にばかり捉われている家庭の猫はあまり幸せそうに見えません。
逆にたとえ病気が重くても、飼い主の精神が安定していると猫の表情は明るいですし、場合によってはずいぶんと長生きすることもあります。
(ただの僕の思い込みかもしれませんが。)
でも、家族がいつもニコニコしているのと、クヨクヨしているのと、どちらが良いか考えれば、答えは明らかですよね?
つまり、愛猫を幸せにしたいなら、あなたの不安の解消はとても重要になります。
そう考えると、病気の事が分からず不安になっている状態は好ましくないですよね?
ネットの情報は正確か?
今の世の中はインターネットが発達し、多くの人が困った時にとりあえずネットで調べるようになりました。
心臓病の愛猫の飼い主も例外ではありません。
多くの人が猫の心臓病についてネットで調べていると思います。
きっとあなたもこのホームページに辿り着く前に色々調べましたよね?
でも、残念ながら、
ネットの情報は正確さという点では、信頼性が高いものではありません。
僕も猫の心臓病についてネットの情報を見てみましたが、
- 「これじゃあ、飼い主さんには分からないんじゃ…」
- 「要らない不安をあおったり、余計な誤解を与えなきゃいいけど…」
- 「結局この商品の宣伝をしたいだけ…?」
というようなものがいっぱいありました。
僕にとっては専門分野ですから、ある程度そういう情報の真偽を判断できますが、基礎知識が無い人にはまるきり判断がつかないのではないでしょうか。
結果として、調べれば調べるほど不安になるという人が少なくないように思えます。
あなたはネットで調べて、安心し、幸せになれたでしょうか?
あなたの愛猫も幸せになれたでしょうか?
まずやるべきは、学ぶこと
とは言え、別にネットそのものが悪いわけではありません。
ネットはただの道具ですので。
問題はそのネットの中にある情報の質です。
これを吟味せずに情報の量だけ集めても、場合によっては逆効果だという事です。
そんな状況の中、このホームページはできるだけ正確でしっかりした情報を届け、あなたの余計な不安を減らせるように作りました。
繰り返しますが、人は知らないと不安になる生き物です。
ですから、あなたが本当に愛猫のために頑張りたいのなら、まずやるべきは学ぶ事です。
ちゃんとした内容を、ちゃんと学んで、不安を解消していくのが最優先です。
僕は日々の診療で真剣な飼い主さんに沢山お会いしてきました。
愛猫のために、本当に頭が下がるほどの努力をする飼い主さんを見てきました。
そういう真剣で真面目な飼い主さんのためにこのホームページは作られています。
どうぞ上手く利用して、あなたも愛猫も納得のいく結果を出して下さいね。
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