体内で起こること
肥大型心筋症では心臓の筋肉が分厚くなります。
筋トレをした人と同じように、筋肉は分厚くなると力が増します。
つまり血液を送り出すポンプの力は強くなります。
「じゃあ、心臓の機能はむしろアップするの?」
と思うかもしれません。
確かにそういう面もあるのですが、この病気が進行すると大きく2つの理由で心臓の機能が低下します。
理由1 血液を溜められる量が減る
心臓の筋肉が分厚くなると、心臓内の血液を溜めるスペースが減っていきます。
さらに、分厚くなった心臓は縮むのは得意でも、膨らむのが苦手になっていきます。
両者の理由から、肥大型心筋症が進行すると心臓の中に溜められる血液の量も減っていきます。
心臓の中に入っている血液が少なければ、どれだけ心臓が頑張っても全身に送り出せる血液の量は減ってしまいます。
理由2 血液の出口が狭くなる
心臓の筋肉が分厚くなると、心臓から全身に血液を送るための通り道が狭くなってしまうことがあります。
狭いところから血液を送り出すには普段より強い力が必要です。
血液が送り出しにくくなった分、心臓はそれをカバーしようと普段より強い力で頑張り続けることになります。
血液が渋滞します。
病気によって血液が心臓より先に流れにくくなると、血液が心臓に溜まっていきます。
この血液の渋滞をうっ血と呼びます。
心臓に血液が溜まっていくと、心臓は水を入れた風船のようにパンパンに膨らんでいきます。
周囲の臓器にも影響
心臓は血管を通じて体中の内臓とつながっています。
そのルートを通じて、心臓のうっ血の影響はやがて周囲の臓器にも及びます。
すると、肺や胸の内部に水が溜まったり、その他全身臓器の異常などが起こります。
これが心臓病によって様々な症状が見られる段階です。
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