お薬について

  • あの動物病院でもらったこの薬は合ってるんでしょうか?
  • ネットで調べたら○○っていう薬が効くって書いてあったんですけど、本当ですか?
  • この薬の量はもっと増やした方がいいんじゃないでしょうか?

というような質問をもらうことがあります。

確かに最近は色々な情報が飛び交っていますから、それを見て不安になる場合も多いと思います。

しかし、どの薬をどう使うか?まで判断するためには専門知識を必要とします。
薬の使い方を一から勉強するより、獣医さんといいコミュニケーションをとって話を聞き出す努力をした方が効率的ではないかな…と僕は思います。

でも愛猫が何の薬を飲んでいるのか気になる人は多いと思いますし、
心臓病の薬は長期間飲み続けるものが多いですから、
どういう薬なのかとある程度知っておいた方が良いかと思います。

ここでは心臓病の時に獣医さんからもらう代表的なお薬について説明します。

カルシウムチャンネル阻害薬

カルシウムチャンネル阻害薬

心臓にとって重要なカルシウムの動きに働きかけるお薬です。

心臓の拍動をゆっくりにさせたり、血液の流れを効率良くして心臓を休ませるために用いられます。

商品名 ヘルベッサーなど

β遮断薬(べーたしゃだんやく)

β遮断薬

比較的新しい薬です。
興奮したとき心臓をドキドキさせる神経の働きを抑える薬で、心臓の拍動をゆっくりにしたり、血液の流れをスムーズにします。
その結果として、心臓が楽になり長持ちします。

症状が軽めな頃から飲み始めることが多いほか、不整脈の治療にも使われることがあります。

危険というほどではないですが、心臓が休み過ぎないように注意して使います。
具体的には少なめの量で飲み始めて、少しずつ効き目のある量に増やしていきます。
自宅で元気、食欲がないと感じたり、ふらつきが見られたら先生にお話しして下さい。

商品名 アーチスト など

ACE阻害薬(えーすそがいやく、えーしーいーそがいやく)

ACE阻害薬

血圧を上げたり、心臓の肥大に関わるホルモンの働きを抑える薬です。

心臓にとって楽になるような状況を作るため、結果として心臓が長持ちするようになります。

多くの動物病院で処方されている薬ですが、効き目自体は強くはありません。
そのため効果が感じられず飲むのをやめちゃう人が多い薬でもあります。
でも、その裏返しでとても安全性の高いお薬です。副作用もほとんどありません。

商品名 エナカルド、フォルテコール、エースワーカー、バソトップ など

利尿薬(りにょうやく)

利尿薬

おしっこをたくさん出させるお薬です。

おしっこは血液を濾過(ろか)して作られますので、

  • おしっこがたくさん出る
     ↓
  • 体の水分、血液の量が減っていく
     ↓
  • 心臓が送り出さなければならない血液も減る
     ↓
  • 心臓がいつもより楽出来るようになる

という感じで心臓の負担を減らします。

心臓病の進行により出てきたうっ血を改善するのにとても効果があるお薬です。

肺のうっ血も改善してくれるので、利尿薬は肺水腫に対してとても効果があります
そのため呼吸困難が出てくるような病気の進行した子によく使われます。

良く効くかわりに、効きすぎると水分を失って脱水になったり、腎臓の働きに影響が出るなどの副作用もあります。
そのため獣医さんはその子の状態を見て薬の量を決めています。
お家では、お水は充分飲めるようにしておいて下さいね。

商品名 ラシックス、アルダクトン など

強心薬(きょうしんやく)

強心薬

血液を送り出す量が減ってしまった心臓に「もっと頑張れ」というお薬です。

愛猫は傍目には元気になりますが、心臓には負担がかかります。
そのため、「心臓が弱ったときに一時的に使う」という使い方が増えてきました。

また、最近の強心薬は心臓を頑張らせる働きだけでなく、心臓の負担を減らしたり、心臓を休ませる効果も多く持っているためにそれをトータルに考えてよく使われています。

商品名 ベトメディン、アカルディカプセル など

血管拡張薬(けっかんかくちょうやく)

その名の通り、血管を拡張させるお薬です。

  • 血管を拡張させると血圧が下がる
     ↓
  • 血圧が下がると、心臓が血液を送り出すのに必要な力が少なくなる
     ↓
  • その結果、心臓が楽出来る

というお薬です。

高血圧の治療で使われることが多い薬です。
副作用はそうありませんが、使い始めに元気がなくなったりふらつきが見られるようでしたら病院に相談して下さい。

商品名 ノルバスク など

血栓予防薬

血栓予防薬

血栓を作らないように血液を固まりにくくさせる薬です。
働く仕組みの違いによってさまざまなタイプのものがあります。

血液を固まりにくくさせるという事は、同時に出血を止めにくくなるという事でもありますので、血液の凝固検査を定期的に行いながらちょうど良い状態に維持するように使われます。

商品名
ワルファリン、アスピリン、ドメナン、ダルテパリンなど



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