食事について
食事はとても大切です。
生き物は食べたもので出来ています。
食べたものの質は身体の状態に直結します。
ですから食べ物が重要というのは間違いありません。
また、一緒に暮らす飼い主としては「食事を食べる、食べない」というのは良く分かるサインであると同時に、とても気になる点でもあります。
それもあってか、ごはんに関する質問はとても多いです。
- どんなごはんをあげれば良いんでしょうか?
- どのキャットフードが良いんでしょうか?
- 手作りごはんの方が良いんでしょうか?
- 栄養バランスが心配です。
- 塩分は控えた方がいいんでしょうか?
- 水分は控えた方がいいって本当でしょうか?
- どんなサプリメントが有効なんでしょうか?
などなどです。
完璧な食事などありません。
結論から言いますと、完璧な食事なんてありません。
人間の食事だって、完璧なものなんてものはありませんから。
ですから、「どんなごはんが正解でしょうか?」という考え方でいくと終わりがありません。
ですから、僕のおすすめは
「普通の食生活をしてくれればOK」
です。
「普通の」というのは、
- ジャーキーみたいなおやつばっかり食べるだとか、
- 鳥のささみだけしか食べないとか、
そんな偏った食生活はやめて下さいね、ということです。
○○は控えた方が良い?
- 塩分は控えた方がいいでしょうか?
- 水分は控えた方がいいでしょうか?
なんていう相談に関しても同様です。
どんな栄養素でもそうですが、与えすぎも、控えすぎも良くありません。
元気な頃から食べていて大丈夫なものを与えてもらえば、ほとんどの場合「与えすぎ」にはなりません。
たとえば塩分のように特定の食材の特定の栄養素だけピックアップして恐れている人もいますが、毎日そればっかり食べ続けているならともかく、そんなすぐに大変なことにはなりませんから安心してください。
(心臓病に加えて腎不全末期のような場合は話が別ですが、そのときはかかりつけの獣医さんからきっとお話があると思います。)
むしろ塩分の控えすぎ、水分の控えすぎが問題になる子もいます。
あせる気持ちは分かりますが、極端な方に走らないで下さいね。
そんな時こそ、落ち着いてしっかり学ぶことが重要です。
サプリメントについて
サプリメントの有効性に関しては、不明な点が多いです。
心臓のサプリメントはコエンザイムQ10、Lカルニチン、タウリンなどが有名どころです。
これらの成分が心臓に必要であるという事は分かっています。
猫にとってタウリンは食事として摂取しなければならない栄養素ですし、欠乏すると心臓病を引き起こすことも分かっています。
しかし、サプリメントとしてとった場合に、
- その成分が上手く心臓に届くのか?
- 実際に心臓病の治療の助けになっているのか?
に関しては不明な点が多いです。
ここが分からない事には判断のしようがないのですが…。
ここからは僕のサプリメントに対する個人的な考えです。
効くものは効く(だろう)。
でも、その効くものを見つけるのはかなり難しい。
というのが僕の考えです。
サプリメントはあくまで特定の成分の補助です。
まず普通にごはんを食べていれば、あまり栄養素が不足する事は起こりません。
むしろ最近は栄養の摂り過ぎでの病気ばっかりです。
先ほどタウリン不足で心臓病になると書きましたが、
「実際にタウリンが足りなくて心臓病になっている子なんて、今日本にいるんでしょうか?」
というくらいの感覚です。
足りない栄養素があって、それとぴったり合うサプリメントが選べるのなら意味があるでしょう。
でもその足りない栄養素を見つけるのも極めて困難です。
かと言って、あれもこれもとサプリメントを飲むのであれば、愛猫にも家計にも優しくありません。
そして、サプリメントは実は極めて品質の差が大きい商品です。
原料からして「ピンキリ」だそうです。
さらに製法によってもずいぶん効果が変わってきます。
ですから同じ成分のサプリメントなのに値段に差が出てきます。
「じゃあ高いのを選べば質がいいのか?」
というと、残念ながら必ずそうとも言えません。
というわけで、サプリメントが効果を出すためには、
- 普段の食事で何かの栄養素が不足して、
- その不足している栄養素が何か分かって、
- その栄養素を効果的に補充できる良質のサプリメントが手に入る
という条件が揃わないと難しいということになります。
ちなみに「ペット用じゃないと駄目なのか?」という質問も受けますが、
成分は特に変わらないというか、人用の方が質が高い場合が多いようです。
「ごはんについてちゃんと学びたい」なら
不定期開催ですが、ペット食育協会のセミナーがあります。
伊藤も関東地方で講師をしています。
今まで多くの飼い主さんに受講して頂きましたが、しっかり学ぶ事の効果はバカにできないと痛感しています。
もしあなたが食事に不安を抱えているのなら、一度腰を据えてちゃんと学ぶことをおすすめします。
ご興味のある方はご覧下さい。
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